top of page

脳塞栓症後、構音障害と嚥下障害が残存したが言語訓練と嚥下訓練により改善した事例

  • houriha9
  • 2021年7月12日
  • 読了時間: 2分

80代女性 要介護1 長男夫婦と同居

 疾患名:脳塞栓症

 希 望:話しやすくなりたい。トロミ付き水分ではなく、普通の水が飲みたい

 X年5月 自宅にて呂律不良と嚥下困難感出現し翌日入院。大きなADL低下はなく約1週間後に自宅退院となる。構音障害と嚥下機能の低下が残存、週1回のST訪問リハビリ開始となる。

 ・食事は自立も時折ムセあり。水分トロミ使用(フレンチドレッシング状の薄いとろみ)

 ・自宅内の移動や杖を使用、屋外はシルバーカー使用し歩行可能

 ・起居動作やトイレ動作自立、更衣や整容は時折一部介助を要する

 ・入浴は週2回のデイサービス利用時

 ・ご家族の支援がしっかり受けられる、自主練習実施に対しての協力も得られる

 ・良くなりたい、頑張るといった前向きな気持ちがある

 ・お話好き

 ①話やすさのが改善され、ご家族やデイサービスの仲間と楽しく会話をすることができる

 ②普通の水分を安全に美味しく飲めるようになる

 ③食事の際のムセが減る

 ・発話明瞭度の改善:口腔運動、苦手な音の構音練習(プリント)、文章音読、自由

           会話、自主トレ指導

 ・嚥下機能の改善:頭頚部ストレッチ、咳嗽練習、舌の筋力トレーニング

     (ペコぱんだの導入)、適宜嚥下評価、ムセにくい食べ方の指導、自主トレ指導

 現在は言葉がはっきりし(明瞭度の向上)、マスク着用下でも聞き取れるまでになり、相手からの聞き返しも軽減している。

 舌の筋力トレーニングを集中的に実施し、舌圧が向上。飲み込むスピードもやや速くなり、食事のムセが少なくなった。また、咳をする力(咳嗽力)も維持ができ、ムセた際もしっかりと強い咳ができることで誤嚥予防となっている。

 水分のトロミも外すことができ、普通水分を飲めるようになった。


最新記事

すべて表示
脳血管障害後遺症として視覚障害を呈しながら、屋外活動の拡大や趣味活動の再開が達成された症例

70代女性、要支援1、夫との二人暮らし 疾患面:右頭頂葉皮質下出血 希望:趣味(お茶や朗読会)などの趣味を再開したい。一人で歩いて外出が出来るようになりたい。 右頭頂葉皮質下出血発症し、入院加療。2ヶ月後自宅退院。左半側空間無視や注意障害が残存。屋外歩行や趣味活動再開に不安...

 
 
 
嚥下障害へのアプローチで固形物の摂取が可能となった事例

70代男性、要介護3 疾患:イレウス後の廃用症候群、誤嚥性肺炎 既往:脳梗塞、パーキンソン症候群 腹痛あり、イレウスの診断で入院。食事再開ご誤嚥性肺炎発症。誤嚥リスク高く、ミキサー食での自宅退院となる。嚥下機能の改善・評価目的に週一回言語聴覚士による訪問リハビリテーション開...

 
 
 
家事動作練習を通して母としての役割再獲得を目指した症例

40代女性 被殻出血、症候性てんかん。 要介護2 202X年に脳出血発症。入院加療により、家事動作一部実施可能な状態でご自宅へ退院。退位後はご家族の協力が手厚く、本人も遠慮して家事は一切行っていなかった。半年ほど前から家事実施に意欲が出てきたため、訪問リハビリテーション利用...

 
 
 

コメント


Copyright © 2020 Nagano Chuo Hospital. All Rights Reserved.

bottom of page