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電動四輪車を用いて活動範囲が拡大した心不全事例

更新日:2020年12月3日


70代女性、一人暮らし、要介護1、自宅内での生活動作全般は一人で出来ているが外出が出来ない状態。茶道や華道など多彩な趣味がある。

数年前から脊柱管狭窄症の診断で自宅内は這って移動していた。転倒により上腕骨骨折を受傷し、入院・訪問リハビリテーションを利用。自宅内の生活は一人でこなせるようになったが、「一人で外出できるようになりたい」と希望が聞かれた。

連続歩行50mほどで足の疲労感、心臓の持病による息苦しさが出現。外出する手段が無く、遠方の親戚が車いすとタクシーで介助をして病院受診をしていた。買い物に行けない為、ヘルパー利用している。お店などに行っても店内の移動は一人では困難の為、車いすで押して貰わないといけない状態で「他人に手伝ってもらうのが申し訳ない」という気持ちであった。

身体機能の著しい低下があるが、周囲への注意力が十分にあり、手の細かな動きが出来る状態。なによりも本人の外出への強い意欲がある事が強みである。電動四輪車が利用できる見込みである。

電動四輪車を用いて近隣の商店での買い物、病院受診が行える事を目標とした。

電動四輪車の選定を行った。長距離移動可能、不整地の移動が可能、店内も自由に入れる機種を選定。WHILL株式会社の製造するModel Cを導入した。実際に運転練習として公道に出て交通ルールの確認、横断歩道や段差練習、実際の買い物練習や収納場所の検討を行った。

1人で電動四輪車を用いて、スーパーへの買い物自立。知り合いの家や、病院受診へ行けるようになった。買い物代行ヘルパーも終了となり、天候が良い日はほぼ毎日出かける生活になった。訪問リハビリ開始当初は歩いて外出される事を望んでいたが、足の疲労感や心臓の持病による影響により獲得は困難と判断。電動四輪車を使う事を納得され、目標達成に繋げる事が出来た事例であった。


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