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誤嚥性肺炎後、姿勢調整と他職種連携で経口摂取が安定した事例

  • houriha9
  • 2020年10月28日
  • 読了時間: 2分

 80代女性、息子と二人暮らし、要介護5、認知症あり時折簡単な単語での発話が聞かれる程度。既往に脳梗塞がある。

 ここ数年誤嚥性肺炎と尿路感染症で入退院繰り返している。X年4月誤嚥性肺炎と尿路感染症の診断で入院。1ヶ月後に自宅退院したがムセあり嚥下状態不安定、ご家族より安全にご飯が食べられて欲しい、入院前と同じように自分でも食べられるようになって欲しいと希望聞かれ、嚥下評価・訓練目的にてST開始となる。

 基本ADLは全介助、週1訪問看護、週2回デイサービス、週5回ヘルパー利用している。

食事はベッド上G‐up45°でミキサー食、水分トロミ付きを介助にて摂取、時折痰がらみやムセあり。吸引器設置しており必要時吸引もしている。

 ご家族の協力が得られる事と、元々ミキサー食を摂取していたため食事形態の理解もできている。本人の食意欲もある。

 ①痰がらみなく落ち着いて食事摂取ができる②入院前と同じ環境、姿勢(ベッド上端坐位)で自力摂取ができる③ヘルパー介入時も同じように食事の姿勢を作ることができる事を目標とした。

 口腔機能訓練として口や舌の運動、ご家族へ口腔ケア指導を実施。また実際の食事場面を観察、評価し嚥下状態に合わせた食事姿勢の調整とご家族へ適切な食事形態の助言。ヘルパーが食事介助で訪問するため、毎回違うヘルパーが介入しても同じ姿勢を作れるよう実践を交えながらの情報共有と食事姿勢の写真提示を行った。

 座位での嚥下評価実施し、嚥下状態が良好であったため端坐位へ食事姿勢変更。座位へ変更後、食事時のムセが軽減し調子が良い日は自力摂取も可能となった。また、毎日同じ姿勢を保ちながら安定した食事摂取も可能となった。


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