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訪問スタッフの関わりで、低血圧リスクを管理しながら散髪が行えた症例

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80代男性 進行性核上性麻痺、覚醒障害あり会話困難。

数年前から歩行障害あり、その後上記診断。感染症を機に入退院あり、ADL低下、起立性低血圧を呈した状態で自宅退院。QOL維持目的で訪問開始。

重度のパーキンソンニズムによりADL全介助レベル。起立性低血圧あり、収縮期血圧臥床時120mmHgだが、端坐位時70mmHgへ低下あり、意識障害出現する。退院直前に病院で散髪して以降床屋利用できず、ご家族がストレスを感じるほど髪が伸びてしまっている。

リクライニング車椅子利用で血圧コントロールしながら離床は可能な状態。

妻は24時間体制で介護しており、本人んは穏やかな精神状態。

ご家族全体の努力により、ご本人の尊厳は守られている。

起立性低血圧改善から、車椅子を利用して奥様との外出やデイサービス参加できる状態を目指す。来春にお花見をしたいという希望もある為、外出に向けた準備としてリクライニング車椅子で過ごす時間を作る。

リクライニング車椅子での血圧変動状況の評価

ご本人行きつけ理髪店へ、①訪問スタッフ同席可能か、②散髪中も血圧変動に伴い車椅子姿勢変換が可能かの2点を確認していただいた。また、血圧変動時、必要に応じて速やかにベッドへ戻れるように環境整備、動線確認を実施。

想定された血圧低下をきたすことはなく、安全に散髪を受けることが出来た。リクライニング車椅子を使うことで、起立性低血圧を持っている方でも、社会参加へつながるということが御家族の実感として得られ、今後の外出に対して前向きになれた。散髪後、鏡を見たご本人の表情が著明に明るくなったことから、覚醒障害にたいして良い変化をもたらす可能性が示唆された。


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