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家事動作練習を通して母としての役割再獲得を目指した症例

houriha9

40代女性 被殻出血、症候性てんかん。 要介護2

202X年に脳出血発症。入院加療により、家事動作一部実施可能な状態でご自宅へ退院。退位後はご家族の協力が手厚く、本人も遠慮して家事は一切行っていなかった。半年ほど前から家事実施に意欲が出てきたため、訪問リハビリテーション利用して練習開始となった。

麻痺側上肢は重度麻痺で廃用手。4点杖と下肢装具を使用して自宅内歩行可能。概ね身の回りの動作は自立。失語症あるが、簡単な単語で会話は可能。日中独居でほとんど寝室で過ごしている。家事は主に同居のお子さんが行っている。ご本人からは「将来の為にもいい機会だから任せている。自分がやると時間がかかって迷惑をかけてしまうと聞かれていた。

ご家族全体の協力が得られる。失語症はあるが、認知期機能は保たれている。ご本人で可能な動作、介助が必要な動作を理解している。  

・家事の一部を再開し家庭での役割を獲得出来る。

・ご本人の希望が強い調理を中心に練習を実施し、家族やヘルパー介入下で再開出来る。

①食事以外の時間でも居間や食卓へ移動する時間を持つ。→家族の中で過ごしているという実感を得てもらう。台拭きや食器並べなどの作業をご家族から依頼されて、実行することで、家事仕事への関わりの必要性を感じてもらい、意欲の維持を図る。

②退院後台所に立つことがなかったため、台所周辺の伝いありきや物品運搬を想定した横歩き、片手作業に必要な自助具を使用した調理練習を実施。→実際に生活の中で家事を行うイメージを持っていただく。

③実際に調理練習を行う前に必要物品や調理工程を確認し、ノートへ書き出す。調理実施後に良かった点、介助が必要であった点まとめて課題を整理。→事前の手順確認で実施がスムーズになり、課題を整理しながらフィードバックすることで、本人が出来る動作が徐々に増えていくことが明確になり、自信につながる。

・ご家族が休みの日に一緒に調理をすることが出来た。

・日中自分で使用した食器を洗うことが出来た。

・ご本人より「品数を増やしてご飯を作ってみたい。洗濯や部屋の掃除も出来るようになりたい。」など調理以外の家事動作にも積極的な姿勢が広がっている。


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